2004年09月22日

突然ザキ物語(外伝) 〜そのパピコ半分よこせ

 
 
――いつの間にかチカ姉ちゃんは大人になっていました。
   そう気づいた12歳の夏休み。
 
 
《君は夏の自転車泥棒》

とても暑い夏の日だった。少年野球を終えた僕はアイスを
食べながら、ダイエーの前を通ったんだ。

「幸二――っ!」
『あ、チカちゃん………。』
「自転車パクられちまってよ。畜生。ぜってぇ工業だよ。あ、」
『え?』
「そのパピコ半分よこせ。」

並んでダイエーの椅子に座って食べる14歳と12歳。
その前髪変だね。という12歳を、真っ黒な14歳の足が蹴飛ばした。

「さて、帰るか。」
『え、僕は?』
「走れよ。野球少年だろ?」
『嫌だよぅ。練習で疲れてるのに。8kmも走れないよぅ。』
「じゃ、後に乗れよ。」

チャリ、チャリンと自転車は風を切り海を目指す。
そして手持ち無沙汰の僕は………。

 僕は………………………。
 ………………くびれてる………。
 ………………………………やわらかい………。

「バ、バカ!!オメェ、どこ触ってんだよ!!!下りろ!オラァ!!」
『ま、まってよ――。おいてかないで――――っつ!!』

真夏の自転車泥棒が、知らんふりして坂道を下りていった。
 
posted by イロ室長 at 23:52| 大連 | Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせとか辞令とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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